「西郷人気に嫉妬した大久保」 これが政変の真相!
明治6年の政変の真相について、法学博士毛利敏彦はその著書「大久保利通」で次の
ように言っております。
「岩倉と大久保の主目的は、政局主導権の奪回であった。岩倉使節団の条約改正交渉
失敗への批判を痛感していただけに、西郷の渡韓の成功をおそれた。そうなれば、
西郷の声望は絶大となり、大久保らの出る幕はなくなるであろう。一方汚職続発で
没落寸前の長州閥は、汚職追及の急先鋒、江藤司法卿の追い落としを切望していた。
こうして、外遊派は征韓論反対の口実を設けて、西郷渡韓の阻止に結束したのであ
る。」-----と
西郷の偉大さは、清国との密約を、密約ゆえに一言も触れず、その胸の奥にしまって
下野したのである。日本の国家的損失は、はかりしれない。
自分の努力や力量不足を棚上げにして、人の才能を妬み成功者を追い落とす政治文化
はその歴史も古く世界的で、これは永遠に解決できない「人間のもって産まれた性」
というべきか?