2013-01-01から1年間の記事一覧

米国のシェールガス革命

日本と異なり国民の貯蓄額が極端に少ない米国は、金融機関救済のための公的資金財源を膨大な国債発行に頼った。日本は様々なルートで米国債購入を強制されてきた。円高介入もそのルートの一つである。日本政府は政府短期証券(FB)という60日前後で償還を…

時価会計の緩和

資本原理主義の旗振り役だった米国が、破綻した金融機関をいとも簡単に救済した。かってアルゼンチンで、韓国で公的資金の注入を認めずIMFを送り込み、グローバル・スタンダードを迫ったにもかかわらず、自国に危機が迫った時は都合よくルールを変える。…

年越し派遣村

リーマン・ショックによる株安で世界の富が08年10月までの1年間で3千兆円も消失した。火元の米国の株価下落率が4割にとどまっているのに、日本の平均株価は、07年6月30日18,138円の高値から08年10月28日の6,994円と6割以上も暴落した。日本の…

御名御璽

08年9月1日の福田辞任表明の衝撃が広がりつつあった2日未明、麻生太郎幹事長は党本部で「適任かなと思わないわけではない」と早くも総裁選に出馬する意向を示した。小泉元首相が推す小池百合子・元防衛相(町村派)もその日のうちに立候補への意欲を表明。…

AIGが救済された理由

とんでもないレバレッジを積上げたCDO(金融派生商品)が世界中にバラまかれた。その総額はBIS(国際決済銀行)のデータによると683兆ドル(5.5京円)である。金融危機の発生後ブッシュ政権や09年1月発足したオバマ政権がFRBと共にいったいいくらの…

ヘッジファンド

投資銀行と並ぶ金融資本主義のもう一人の主役が、ヘッジファンド(私的な投資組合)である。東京の一等地の売れ残りの殆どが、OO投資組合といった名義になっている。これを追及するとケイマン諸島の本部に辿り着く。誰が持ち主かわからない状況なのだ。ヘッ…

CDS

リーマン・ブラザーズが破綻しAIGが経営危機に陥ったのは、金融機関のビジネスを活性化させるために生み出されたCDSという金融派生商品が、逆にビジネスそのものを崩壊させるきっかけとなった。CDSにもいろいろな種類があるが基本パターンは次のよ…

リーマンショック

福田首相の辞意表明を受けて、自民党総裁選挙は08年9月10日告示、9月22日選挙という日程となった。この総裁選の最中の9月15日、米国証券業界第4位のリーマン・ブラザーズが総額6,130億ドル(約65兆円)という巨額の負債を抱えて経営破綻した。同社に…

洞爺湖サミット

08年7月7日から「地球温暖化防止・CO2抑制」をテーマとして洞爺湖サミットが開催された。G8が進めてきた金融投機資本主義を放置しておいてよいのかという問題であり、地球温暖化問題の根本もここにある。サミットの結果に、欧米のメディアはG8の指導…

初の問責決議

日銀総裁人事をめぐる福田首相の迷走ぶりに、首相のリーダーシップが見えない、福田の政治的未熟さが際立つなどの批判が与党内部からも噴出した。早々とポスト福田への動きが始まったのは、福田・小沢の対決が偽装と露見したのと表裏をなしている。08年4月…

空席となった日銀総裁

08年3月19日に日銀総裁・福井俊彦の任期が満了になるのを前にした3月7日福田首相は副総裁・武藤敏郎を後任総裁として昇格させる案を衆参両院議院運営委員会に提出した。財界は武藤総裁案を歓迎し、経団連会長・御手洗冨士夫も賛成していた。そして東京金…

みなし否決

06年2月1日米国FRB議長に就任したバーナンキは、07年9月から08年3月にかけてFFレートを5.25%から2%とした。この金利急低下でまた市場には大量の資金が出回ることになった。この資金は原油や穀物市場の投機資金となって世界中を徘徊した。我々…

57年ぶりの衆院再議決

米国FRB議長グリーンスパンは、米国政府自作自演の同時多発テロが起きた01年9月から03年6月にかけて「FFレート」を3.5%から1%にまで引下げた。バブル景気の自作自演である。果てしない膨張ぶりに慌てたグリーンスパンはその火消しに努め、04年6…

大連立構想

9派閥の中で麻生派を除く8派の談合により07年9月25日、福田自公連立政権ができる。福田は町村信孝前外相を官房長官に起用し、外相の後任に高村正彦前防衛相を横滑りさせ、防衛相に石破茂を充てた。党の体制は幹事長に伊吹文明、政調会長に谷垣禎一、総務…

渡邉恒雄

旧制東京高校を卒業した渡邉恒雄は、45年4月東京帝国大学文学部哲学科にすすむ。入学早々に共産党に入党。そして1年遅れて経済学部に入学してきた氏家齊一郎を渡邉がオルグする。氏家も直ちに入党した。その後、路線闘争から共産党を除名され、東京大学大…

福田内閣誕生

「ポスト安倍」の最有力候補として名前があがったのは、安倍が幹事長に抜擢した麻生太郎だった。安倍首相の辞意が報じられた07年9月12日の夜には、テレビはこぞって「後継首相には麻生氏有力」のニュースを流した。新聞各紙も翌日の朝刊で「麻生氏有力」と…

国民投票法

国民投票法については、自民党と民主党の間で議論になった問題であった。国民投票法は憲法付属法であり、憲法と同時に制定しておくべきであったが、それができなかったのは占領軍によって、10年間憲法を改正させないように抑えられていたからである。当時…

自民党迷走の始まり

参院選敗北が確実となった07年7月29日の午後、自民党の最大派閥清和会(町村派)の事務所があるグランドプリンスホテル赤坂の一室に、同派の実質的オーナー森喜朗元首相と青木幹雄参院議員会長、それに中川秀直自民党幹事長が秘かに集合した。安倍首相を辞任…

閣僚不祥事

数に驕る安倍政権は06年12月25日に成立させた「改正教育基本法」にみられるように、衆参両院の与野党で紛糾した議事で、17回も強行採決を行った。強行採決をこれ程乱用した強権政治は例がない。改正教育基本法は何のための改正か、どのような日本人をつく…

北朝鮮初の核実験

06年9月の自民党総裁任期切れに当って小泉首相は勇退を表明しており、安倍晋三、麻生太郎、福田康夫、谷垣禎一の四人が有力候補であった。高い支持を集める政治家を総理・総裁に据えるという行動様式が自民党内に広がっていたため、次第に安倍を小泉後継に…

小泉政治の総括

06年4月23日に行われた千葉七区の衆院補欠選挙は955票差で民主党が勝利し、小沢一郎代表の選挙神話が復活した。使途を明確にしない組織対策費が投入されたことは当然であろう。そして小泉首相は会期末には「後期高齢者医療制度」を強行成立させて、6月1…

小沢一郎、民主党代表に

小泉首相にとって、郵政選挙で大勝利したものの秋からの政局は自分のペースのものではなかった。05年9月30日には大阪高裁・大谷正治裁判長が小泉首相の靖国神社参拝をめぐる訴訟の控訴審で、違憲判決を下した。自民・民主・公明の各党有志が「国立追悼施設…

後期高齢者医療制度

問題は、郵政選挙で勝ち誇った小泉首相が06年6月に強行採決で成立させた「医療制度改革関連法」である。06年10月から70歳以上の高齢者で現役並みの所得がある人の自己負担を3割に引上げるなど、負担増を求める内容であったが、国民から厳しい批判を受け…

医療崩壊

厚生省は95年、30年後の医療費推計値を141兆円と発表した。高齢化でいかに医療費が増大するかを示すためである。これが時を追うごとに減っていくのである。97年104兆円、00年81兆円、02年70兆円、06年65兆円である。こんないい加減な予測に基…

郵政改革----④

「民にできることは民に」これは正しい。小泉改革の誤りは「民にできないこと」をやらせたことである。その気になればできることでも採算がとれなければ「民にはできない」。民間企業に国民生活を守るという「志」は望むべくもないのである。営利追求の「民…

郵政改革----③

05年7月5日の衆院本会議での郵政民営化法案採決は、自民党から37名が反対し14名が欠席という大量造反が出た。結果は賛成233、反対228の5票差で可決された。参院では8月5日郵政特別委員会の採決の直前、反対派の議員全員が賛成派の議員と入替…

郵政改革----②

郵政三事業は橋本行革に基づき「公社化」されることが決まり、02年7月郵政公社法が成立し、03年4月には郵政公社が発足した。小泉首相はその半年後の10月竹中平蔵経財相を郵政民営化担当に任命した。竹中法案に反対した自民党議員たちは、あくまでも三事業…

郵政改革----①

慶応大学在学中の小泉純一郎は、67年4月こともあろうに婦女暴行事件を引起した。即、都立松沢病院に入院。精神分裂病と診断された。父親でもあり元防衛庁長官の純也は、被害女性に金銭解決を図り、小泉を同年7月ロンドン大学に遊学させて事件と病名を隠蔽…

名ばかりの道路公団民営化

03年12月の04年予算編成は、公明党の恒久定率減税廃止を認めるか、イラク派兵をどうするかこれが最大の問題となった。暮の慌しい日程で神崎武法代表一行がサマワを数時間視察し安全であることを演出し自衛隊の派兵を了承。その取引として恒久定率減税の廃…

100年安心

この数年ほど年金への関心が高まったことはかってなかった。このおかげで年金会計の問題が次々と明らかになった。あまり利用されない赤字の保養施設、グリーンピアの建設は年金保険料の無駄遣いと知られているが、実は事務費という名目で隠された人件費、天…