ノーモア 悔いの八千度 原子核

昨日、私の好きな銘酒を送ってくれる、親友の河村和男邸を久しぶりに訪問しまし
た。川柳の先生だけに、パッと簡潔に表現する癖があって、彼の話は実に面白い。

その時、彼の作品集「軌跡」という小冊子を頂戴したのだが、そのなかに、
  『 ノーモア 悔いの八千度 原子核 』  という句がありました。

福島の原発事故は、悔やんでも悔やんでも悔やみきれない 未曾有の事故となった。
広島・長崎の悲惨さを熟知している筈の我々に、再び放射能が襲ったのである。
何ら罪のない乳幼児を抱えた母親や、その家族の気持ちは察するに余りある。
5年たっても20年たっても一生恐怖に脅えながら生きてゆかねばならないのである。

原子力マネーに屈して、原発を受け入れた市町村・国会議員・官僚・学者の責任は
重大だ!  着々と「安全神話」を築き上げるだけで、最も肝心な安全対策を怠って                                                                               きた東電は、誠意をもって賠償に当たるのは当然である。想定外とはとんでもない。

日清日露で「不敗神話」が醸成され、太平洋戦争に突入し、広島・長崎に鉄槌が下さ
れても「一億総懺悔」の言葉だけで、徹底した戦犯の責任追及をしなかった曖昧さ・
無責任な体質が、今回の大惨事を招いたと言っても過言ではない。

「日本人はバカばかり揃っていたわけではないのに、時に不思議な程のバカをやる。
それは常に日本人の中に強く存在するもの、『付和雷同』に支配されるからだ。」
これは「大佛次郎」の言葉である。

河村君は、現在前立腺癌と闘っていますが幸い暗さはなかった。軌跡ならぬ奇蹟を祈
っております。そして更なる辛口の川柳を待っております。


レース結果共鳴チェック