周辺事態法(ガイドライン法)

小渕首相は、99年の通常国会で日本の平和と民主主義に重大な影響を与える法律を次々と推進した。安保外交面では周辺事態法(ガイドライン法)が成立した。米国の意図は日米安保条約を日本や極東の安全を守るためではなく、唯一の超大国として世界各地で自国の権益を追及する上で、日本の基地を利用し自衛隊から兵站や情報の援助を受けるために転換するというのである。

しかし周辺の意味は曖昧にされたままであった。直接的に日本を脅かす紛争でなくても米国がこれに関与した場合、日本は米軍を支援することが規定されたのである。これにより戦争に関わらないという憲法九条の規定は空文化された。

国内政治に関しては、個人の権利を抑制し政府の権力を強める住民基本台帳法、通信傍受法(盗聴法)、国旗・国歌法が成立した。住民基本台帳法は国民総背番号制に道を開き、プライバシーの侵害や情報の漏洩などの危険を招くという批判があった。いずれにしても、憲法の理念を脅かしかねない法案であったが自由党公明党の協力で容易に成立した。

自自公連立によって国会審議も変質した。野党から重要な論点が出され法案の欠陥が明らかになっても、質疑時間が終われば多数決によって法案を処理する手法が横行するようになった。

98年11月国賓として江沢民国家主席が来日。宮中晩さん会での江沢民の言動は一国の元首としてとるべき態度ではなかった。89年の天安門事件で世界の非難を浴びる中、それを逸らすため92年天皇を招待した江沢民はその恩を忘れ、仇で返したのである。小渕首相は江沢民との会談で日米安保条約から台湾条項をはずせという要求を拒否。過去に対する中国への謝罪を共同声明に入れろという要求も拒否し口頭で謝罪した。政府開発援助(ODA)も減額した。

日清戦争遼東半島・台湾等の割譲、対華21ヵ条要求、満州国建国等々中国は日本に対し根深い怨みをもちその報復に燃えている。韓国は日本人による閔妃暗殺・植民地支配・関東大震災時、デマを信じた各所自警団による朝鮮人大量虐殺等に対する怨みを晴らすべく隙を伺っているのである。加害者はその行為を忘れがちであるが、被害者は何年経っても決して忘れない!許さないのである。いくら賠償しようが、何度謝罪しようが----

米国の言いなりの日本政府の弱腰外交は、中国も韓国も日本政府のメンツを潰すための難癖や嫌がらせを益々エスカレートさせるであろう。両国の理性を欠いた外交からは憎悪のみが生産されるだけである。あるいはそれが目的かもしれない?それにしても我々の祖父母・父母の残した負の遺産は余りにも大きい。



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