同じ穴の貉

訪韓した民主党代表・小沢一郎は08年2月21日次期大統領・李明博と会談した。席上李は在日韓国人への地方参政権付与の実現を要請した。小沢は「実現に向けて努力したい」と応じた。会談後、記者団に小沢は「両国の信頼関係構築にはまず、日本側が事実として動く必要がある。個人的にはなるべく早く参政権を国会で通したいと思っている」と述べた。だが、これを認めていない判例を小沢はご存知ないらしい。

東京地検特捜部は09年1月西松建設・前社長国沢幹雄らの逮捕に続いて、3月3日小沢の公設第一秘書大久保隆規政治資金規正法違反の容疑で逮捕した。翌日小沢は「国策捜査に類する」と検察を批判、鳥越俊太郎らも小沢に同調した。が5月11日大久保の起訴により小沢は代表を辞任。5月16日民主党代表選が行われ鳩山由紀夫が選出され敗れた岡田克也は幹事長となった。小沢は選挙担当・筆頭の代表代行となった。

09年6月、国沢の初公判で検察側は「00年頃から大久保秘書がゼネコン各社との献金交渉や談合における『天の声』を担当するようになり、岩手県内などの公共工事で、西松建設を本命業者とする『天の声』を出した」と陳述した。ところが7月12日党勢を占うとされる東京都議会選挙が行われ、民主党は改選前の34から54議席と大きく伸ばし第一党に躍り出る。しかし大久保は有罪、禁固3年執行猶予5年の判決が下る。

09年6月、鳩山の政治資金収支報告書に故人からの献金が記載されていることが発覚した。6月30日の記者会見で実体のない寄付は、05年から4年間で2,177万円にのぼると発表。鳩山は公設秘書が独断でやったとして芳賀大輔と勝場啓二を解雇した。だが、鳩山の説明について71%の多数が「納得できない」と答えている(東京新聞)二人はマスコミ取材を回避するため雲隠れしていたが、09年12月24日起訴された。

この時点で鳩山は、小沢が代表を辞任したように総理大臣も代表も辞任すべきであった。その後、芳賀には30万円の罰金刑が、勝場には禁固2年執行猶予3年の判決が言い渡された。結局、鳩山も小沢も責任を秘書に転嫁して恥じない点で、同じ穴の貉であった。政治資金に税金が使われている以上、収支報告書に虚偽記載がある場合には、議員は辞職しなければならないという連座制が必要ではないだろうか。

09年7月19日鳩山は民主党公認候補の選挙応援で訪れた沖縄市民会館で、政権交代後の普天間飛行場代替施設への対応について「最低でも県外の方向で我々も積極的に行動を起こさなければならない」と何ら当ても無くアイデアも無いまま県外移設に前向きな発言をした。前出東京新聞のアンケートは、民主党政権担当能力について「あると思う」41%、「あると思わない」44%であった。


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