トモダチ作戦

米国が軍事的に世界最強であることは間違いない。それはハード面だけでなくソフト面でも優れているからである。東日本大震災に際して、震災発生の翌日、11年3月12日オバマ大統領は「トモダチ作戦」を発令したが、その一番の目玉は、瓦礫、泥濘、数百台の車両で埋め尽くされ、2メートルも水没した仙台空港の復旧だった。

3月16日沖縄嘉手納基地から飛来した米軍特殊作戦群の隊員13名が、津波被害を受けた航空自衛隊松島基地に強行着陸、その後搭載してきた高気動車2両に分乗して仙台空港に向かった。

さらに同日特殊作戦群の大尉が空挺隊員と共に仙台空港にパラシュート降下、高気動車2両も空中投下した。即、自衛隊員らと共に瓦礫の撤去にとりかかり、僅か3時間で1,500メートルの滑走路を使用可能としたのである。

その仙台空港を拠点にして、食糧、水、毛布等の救援物資200万トン以上を被災地に運んだ。さらに現地の重軽傷者の治療のため病院船まで派遣するなど、救援活動は4月30日まで集中的に実施されて、大きな成果を挙げた。

父母を失いあるいは、愛する子や孫を失い、兄弟や友人を失っただけでなく住まいまでも失って絶望のどん底にあった被災者にとって、彼等の迅速な活動はどんなに励みになったであろうか。心から「ありがとう」と頭を下げたい。

つまり、トモダチ作戦において、米軍は仙台空港を活用する計画を立て、2万数千の米兵が参加したと言われるが、すべて仙台空港経由であった。そういう拠点を造らなければ駄目だというマニュアルを米軍は持っており、効率の良い救援のための拠点づくりが、如何に大切か教えてくれたのである。

他方、米軍特殊作戦群が強行着陸した松島基地を、自衛隊が使えるようにするために、どれだけ時間が掛かったか?2ヵ月である。有名なブルーインパルス松島基地の所属だが、津波のきた日は幸運にも福岡出張で被害を免れた。だが彼等の帰還が実現するのは2年後である。


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