小沢新党

12年5月8日消費税率引き上げ関連法案などの、税と社会保障一体改革関連法案の審議が衆議院で始まった。しかし、参院で問責決議を受けた防衛相・田中直紀国交相前田武志の進退をどうするのかという課題があり、6月4日両氏を含む5名を交代させる内閣再改造を行い、防衛相には民間人の森本敏を起用した。こうして国会での税と社会保障一体改革の議論が本格化した。

元々消費税率引き上げについては民主、自民、公明の各党間の意見の相違は少なく、6月26日衆院本会議で可決し参院に送付された。この採決を巡っては小沢グループの反対が強く、民主党議員のうち57名が反対票を投じ16名が棄権または欠席し、そのうち37名が除籍処分となった。この騒ぎのなかロシアのメドベージェフ首相が7月3日二度目の国後訪問を強行した。

7月11日、先の衆院採決で反対した小沢一郎を代表とする「国民の生活が第一」という新党が反増税脱原発を掲げて発足した。しかし、マスコミの反応は「『反消費増税』にしても『脱原発』にしても、真面目な政策論ではなく単なる人気取りではないか」と手厳しかった。

私は、国民の生活が第一とは随分国民を馬鹿にした党名だと憤りを感じている。消費増税に賛成したり反対したり定見のない小沢こそ、国民生活に背を向けカネと数をたのみに政党転がしに明け暮れ、日本の民主政治を破壊した張本人ではないか!

民主党マニフェストを実現してこなかったことを小沢が批判しても、09年の政権交代後、小沢自身が8ヵ月以上にわたり幹事長であったことから「マニフェストを実現できなかった責任は小沢本人にもあるのではないか」という冷めた見方が多かった。7月13〜15日の読売新聞調査では、小沢新党に「期待しない」が82%に上った。

8月8日民主・自民・公明三党の党首が会談し、社会保障・税一体改革関連法案が成立した上で「近いうちに国民に信を問う」ことで合意が成立した。小沢など野党6党は内閣不信任案を提出していたが、自民・公明が欠席したため9日否決された。10日参院本会議で同法案は三党の賛成多数で可決・成立し、野田の不退転の決意が実を結ぶことになった。しかし、同法案に反対する民主党議員の離党がさらに続いた。

8月10日韓国の李明博大統領が、現職大統領としては初めて竹島に上陸した。自民党は同日「韓国に不必要な謝罪談話を出すなど誤ったメッセージを発信し続け、行き着いた果てが今回の事態」とする声明を発表した。14日には李は大学の会合で天皇訪韓に言及し「韓国を訪問したいならば、独立運動で亡くなれれた方々を訪ね、心から謝罪すればいい」と発言した。

日本の政治が不安定ななかで、近隣諸国から日本を軽んじる行動が頻発した。こうして8月29日参院で野田に対する問責決議案が野党の賛成多数で可決し、民主党による政権交代の幕が閉じられようとしていた。


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