尖閣諸島の帰属

12年12月16日の総選挙で圧勝した自民党総裁安倍晋三は、26日第二次安倍内閣を組閣した。失言・暴言癖のある麻生太郎を副総理兼財務大臣に任命したことに、私は大きな不安を感じた。しかし、安倍のデフレ経済を克服するためにインフレターゲットを設定した上で、大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略を三本の矢とする経済政策は、マスコミからアベノミクスと称され話題となった。

13年1月16日政界を引退し中国を訪問中の元首相・鳩山由紀夫は、尖閣諸島を巡り日本政府の日本固有の領土であり領有問題は存在しないという立場に反して「日中間の係争を認めるべきだ」と発言した。防衛相・小野寺五典は「理解できない『国賊』という言葉が一瞬頭をよぎった」と非難した。1月18日元首相菅直人も鳩山発言を支持した上、南京の30万人虐殺事件も認めるような態度を示した。菅も国賊なのだ!

1月30日に発生した中国海軍艦船による、海上自衛隊護衛艦への火器管制レーダー照射について、2月5日日本政府は中国に厳重抗議した。外相・岸田文雄は中国側の「事実に合致しない」という説明に「防衛省で慎重詳細な分析を行った結果であり、中国側の説明は全く受け入れられない」と再度抗議した。また、中国のレーダー照射は民主党政権時代から複数回あり、公表されなかったことが発覚した。これは日本陸軍を挑発して日中戦争の引き金となった、第2の盧溝橋事件と言うべきである。

6月25日ルーピー鳩山は、香港で尖閣諸島について「中国側から日本が盗んだと思われても仕方がない」「文書ではないが、41年前に周恩来首相と田中首相の間で棚上げに合意したのは事実だ」と主張。さらに「ポツダム宣言に書いてあるでしょう。固有の領土は、北海道、本州、四国、九州それが固有の領土だと。その後は連合国が決める島なんですよ」「もっと勉強して欲しいと思いますよ」とノタマワッタ。

以下は「中国外交戦略の狙い」の著者遠藤誉の記述である。「日本が終戦協定として署名したサンフランシスコ平和条約ポツダム宣言に基づき、ポツダム宣言カイロ宣言に基づいている。そのカイロ宣言は『日本が中国に返還すべき一切の領土』のなかに『尖閣諸島を含んだ琉球群島』を入れていないことが明確となった」

蒋介石はその理由として、琉球日清戦争前から日本が統治していたから、ということまで挙げていることに注目しなければならない」遠藤は米国のフーバー研究所に赴いて蒋介石の日記も確認している。その日記の43年11月15日には「琉球と台湾は、我国にとっての地位が異なる。なぜなら琉球は一つの王国であり、その地位は朝鮮に似ている。それゆえ次の (カイロ会談での) 提案では琉球問題に関しては提案しないと決定した」とある。

この時、蒋介石トルーマン琉球も欲しいと言えば、その通りになったであろう。しかし、中国大陸を蚕食している共産軍(毛沢東)を全力をあげて排除しなければならない蒋介石は、トルーマンが要求する米中共同の沖縄 (琉球) 上陸作戦に動員する兵力を割くことができなかったのである。

また、「71年4月16日ニクソン大統領は米中国交正常化を長期的目標とすると宣言。7月9日にはキッシンジャーが忍者外交により訪中し、毛沢東周恩来に会い、周恩来とは 『日本を米中共通の敵』 とみなす秘密会談を行った」と述べている。


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