ロスチャイルド家とは--③
1848年、ゴールドマン・サックスの創業者マーカス・ゴールドマン(独系ユダヤ人)が米国に移住した。69年、マーカスはマンハッタンに借用証書ブローカー業を開業。82年には娘婿のサム・サックスを招き、85年マーカスの息子ヘンリーが入社。社名を「ゴールドマン・サックスとした。
ヘンリーは「リーマン・ブラザーズ」の経営者の息子フィリップ・リーマンと親友関係にあり、それぞれの家族が経営する会社で提携し、株の引受を共同で行い、利益を折半することにした。この関係が長く続いたのは、ゴールドマン・サックスが顧客を持ち、リーマン・ブラザーズが資金を持っていたためである。尚、リーマン家もユダヤ系移民である。
96年ゴールドマン・サックスはニューヨーク証券取引所の会員となった。NMロスチャイルドのニューヨーク代理店、オーガスト・ベルモントの指図により、97年6月サム・サックスはロンドンを訪れ、名門マーチャント・バンクの一つ、クラインウォート・サンズ社に赴き、資金調達を図った。ここでゴールドマン・サックスとロスチャイルド家の連合体が形成されたのである。
一方、米国ロックフェラーが成り上がることができたのは、19世紀末に米国で石油を握ったからである。ロックフェラー一世は敵対者を力ずくで叩き潰した。それは欧州ロスチャイルド家の融資を受けたロックフェラー家が圧倒的に有利だったからである。このような関係は、ロックフェラー家ばかりではない。米国の主要財閥はすべて欧州ロスチャイルド家の下部組織とさえ言えるのだ。
1913年ロスチャイルド家は米国に連邦準備銀行FRBを設立した。株主は以下の通り
・ロスチャイルド銀行(ロンドン) ・ロスチャイルド銀行(ベルリン)
・ウォーバーグ銀行(ハンブルク) ・ウォーバーグ銀行(アムステルダム)
・ラザール・フレール(パリ) ・イスラエル・モーゼス・シフ銀行(イタリア)
・リーマン・ブラザーズ(NY) ・ゴールドマン・サックス(NY)
・クーン・ローブ銀行(NY) ・チェース・マンハッタン銀行(NY・ロックフェラー)
1914年第一次世界大戦が勃発した。ヘンリー・ゴールドマンはドイツ支持、サム・サックスは英国支持だった。結局、ヘンリーは退社することになり、ゴールドマン・サックスはサックス家のビジネスとなった。この段階でゴールドマン・サックスは欧州ロスチャイルド家に完全に組み込まれたのである。
1920年代、ゴールドマン・サックスはバブル経済を作り出した。ニューヨークの株式市場が大暴落してバブル経済が崩壊すると、1930年代の世界は「世界大恐慌の時代」へと突入していくことになるのである。